講座・課程詳細

申込締切日 / 2024/09/07ジャンル / 働く世代に向けたリカレント教育、ことば・言語を学ぶ、教育・人生観を学ぶ 学内講座コード /

たちばな教養学校Ukon第3期

主催:京都橘大学京都橘大学 京都橘大学

問合せ先:京都橘大学

開催日
2024/05/25~2024/09/07
入学金
 - 
時間
19:00~20:30(金)/14:00~15:30(土)
受講料
 - 
課程
公開講座(一般受講)
開講形態
対面
その他
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講座詳細

テーマ「読む――新たな『ことば』を探す旅」
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Ukonの初年度は<自分をひらくケア――「つながる」ことへのレッスン>と題して、2期にわたり16人の講師の方々に、それぞれとっておきのテーマを語っていただきました。
ふだんの生活の中では、ややもするとやり過ごしかねない事象に注意を払い、外の世界、他者の存在、自らの内面の深みに向けて、こころの扉をひらいてみませんか。そうすることで、新たな「つながり」の光が見えてきませんか、という問いかけでした。

2年度は、それをもう少し具体的に深めていきたいと思います。
(「自分をひらくケア」は、引き続き、通奏低音となります)
5月から始まる第3期では「読む」という入口を選びました。
多くの人にとって、「読む」という行為はほとんど無意識の営みです。
文字を追い、意味を理解し、何かを思い、行動する(判断する)。
これが一般的に思い浮かべる「読む」でしょう。

「読書」となれば、もっと身を入れた本との「対話」が生まれます。
おもしろい、つまらない、わからない、人生観を揺さぶられる……。
何が書かれているかだけでなく、書かれていないこと(書き手の思いや行間、本が書かれなければならなかった背景など)まで想像し、こころを動かしながら、読み進めます。

しかしながら、「読む」のは本に限った話ではありません。アートを読む、音楽を読む、風景を読む、人のこころを読む、からだを読む、時代を読む、自然を読む、歴史を読む……私たちは自分を取り巻く多様なものに接しながら、その都度、何かを感じ取ります。そのこころの揺らぎを「ことば」にすることで読み解こうとします。

第3期はその「こころの揺らぎ」に耳をすますヒントを探りたいと思います。
「ことば」との出会いが、新たな気づきや表現となって「生きる」エネルギーにつながれば、それは幸福な体験です。
感性を磨き、暮らしの彩りをゆたかにし、「いのち」の滋養となるような「ことば」を求めて――。

そんな旅をご一緒できればと願います。

学頭・河野通和

備考

全8回の講座です。

■ 第1回 2024年5月25日(土)14:00~15:30
「日常のセンス・オブ・ワンダー」
穂村 弘さん(歌人)

■ 第2回 2024年6月7日(金)19:00~20:30
「いのちを診る、いのちをつむぐ」
稲葉 俊郎さん(医師/医学博士)

■ 第3回 2024年6月21日(金)19:00~20:30
「『食』の記憶の深みから――福島・国道6号線をゆく」
川内 有緒さん(ノンフィクション作家)

■ 第4回 2024年7月5日(金)19:00~20:30
「我々はどこから来て、どこへ行くのか――『共感』の起源をひもとく」
山極 壽一さん(総合地球環境学研究所 所長)

■ 第5回 2024年7月19日(金)19:00~20:30
「写真を読む――見えない世界に目をひらく」
梶川 由紀さん(何必館/京都現代美術館キュレーター)

■ 第6回 2024年8月9日(金)19:00~20:30
「〝路傍の石〟を読む――物いわぬ『歴史の証言者』」
鵜飼 秀徳さん(浄土宗正覚寺住職/ジャーナリスト)

■ 第7回 2024年8月23日(金)19:00~20:30
「ケアで読み解く名作文学」
小川 公代さん(英文学者/上智大学外国語学部教授)

■ 第8回 2024年9月7日(土)14:00~15:30
「楽曲を読む――演奏家は問いかける」
通崎 睦美さん(木琴奏者)

□■会場■□
QUESTION(クエスチョン)
〒604-8006 京都市中京区河原町通御池下る下丸屋町390-2
地下鉄東西線「京都市役所前」駅徒歩1分

講師

名前
穂村 弘
肩書き
歌人
プロフィール
1962年北海道生まれ。1990年に歌集『シンジケート』でデビュー。歌論集『短歌の友人』で伊藤整文学賞、『鳥肌が』で講談社エッセイ賞、歌集『水中翼船炎上中』で若山牧水賞を受賞。歌集『ラインマーカーズ』、近刊に『短歌のガチャポン』、『彗星交叉点』『蛸足ノート』など。
名前
稲葉 俊郎
肩書き
医師/医学博士
プロフィール
1979年熊本県生まれ。医師。東大病院循環器内科助教を経て、2020年より軽井沢へ転居。芸術、音楽、民俗学など異分野への関心も深く、「全体性」を取り戻す新たな医療のあり方を模索する。2020年より山形ビエンナーレ芸術監督。著書に『いのちを呼びさますもの』『ことばのくすり』他。
名前
川内 有緒
肩書き
ノンフィクション作家
プロフィール
1972年東京都生まれ。仏の国連機関などに勤務後、フリーのライターとして評伝、旅行記、エッセイなどを執筆。著書に『バウルを探して 地球の片隅に伝わる秘密の歌』、『空をゆく巨人』、『目の見えない白鳥さんとアートを見にいく』、『自由の丘に、小屋をつくる』など。
名前
山極 壽一
肩書き
総合地球環境学研究所 所長
プロフィール
1952年東京都生まれ。人類学・霊長類学者。屋久島で野生ニホンザル、アフリカ各地で野生ゴリラの社会生態学的研究に従事。2020年まで京都大学総長。著書に『共感革命-社交する人類の進化と未来』『森の声、ゴリラの目-人類の本質を未来につなぐ』など多数。
名前
梶川 由紀
肩書き
何必館・京都現代美術館キュレーター
プロフィール
京都市生まれ。パリ、ヨーロッパ写真館(MEP)の美術館設立にキュレーターとして携わる。帰国後、「何必館・京都現代美術館」に写真部門を立ち上げ、アンリ・カルティエ=ブレッソンやサラ・ムーン、荒木経惟など国内外の展覧会企画や写真集の編集、執筆を行う。
名前
鵜飼 秀徳
肩書き
浄土宗正覚寺住職/ジャーナリスト
プロフィール
1974年京都・嵯峨の正覚寺に生まれる(現在住職)。新聞記者・編集者を経て、独立。「宗教と社会」をテーマに取材、執筆、講演を続ける一方、「寺院再生を通じた地方創生」に携わる。著書に『寺院消滅』、『仏教抹殺』など多数。大正大学招聘教授、東京農業大学・佛教大学非常勤講師。
名前
小川 公代
肩書き
英文学者/上智大学外国語学部教授
プロフィール
1972年和歌山県生まれ。上智大学外国語学部教授。専門は、ロマン主義文学、および医学史。ケアの観点から多様な文学作品を読み直す試みを続けている。著書に『ケアの倫理とエンパワメント』、『ケアする惑星』、共編著に『文学とアダプテーション――ヨーロッパの文化的変容』など。
名前
通崎 睦美
肩書き
木琴奏者
プロフィール
1967年京都市生まれ。京都市立芸術大学大学院音楽研究科修了。往年の名木琴奏者・平岡養一氏の愛器を譲り受け、演奏・執筆活動を通して木琴の復権に注力する。アンティーク着物の蒐集でも知られる。著書に『木琴デイズ 平岡養一「天衣無縫の音楽人生」』『天使突抜おぼえ帖』など。